スキルを極めたスペシャリストという選択肢

エンジニア職のキャリアパスには大きく分けてゼネラリスト、スペシャリスト、そしてマネジメント職の3つのルートがあります。その中でも近年スペシャリストへの需要が高まっています。これまで日本ではIT業界に限らずゼネラリストが求められる傾向が見られました。簡単に言えば「なんでもソツなくこなせる」人材が重宝されてきたわけです。一方キャリアパスの観点から見るとマネジメント職が大きな目標になっていました。技術職・専門職においてもキャリアのある段階で実務から離れて現場を統括・指示する立場になることが出世の象徴となっていたのです。しかし時代やニーズの変化にともないこれまであまり脚光を集める機会がなかったスペシャリストが注目されるようになっています。

理由としてはエンジニア職はもちろんIT業界全体で高度で専門的な技術が求められるようになっており、それに対応できるスペシャリストが求められるようになっていること、そして移り変わりが激しい業界のなかで斬新なアイデアを生み出すためには専門的な知識を備えたスペシャリストとしての視点が必要になってくることなどが挙げられます。

さらに企業側としてもスペシャリストを受け入れることで人材の育成コストを抑えることができます。専門的な知識を持った人材とともに働くことで、社内全体のスキルの底上げを図れるといったメリットもあります。そのため転職人材はもちろん、フリーランス人材を受け入れている企業も多いです。

ですからエンジニア職のスペシャリストのキャリアパスとしては、同じ企業でひたすら経験を重ねる方法と、身につけたスキルを活かしつつさまざまな企業を転職やフリーランスとして渡り歩きながらキャリアアップを目指していく2つの選択肢があります。そしていずれにおいてもキャリアを重ねながらスキルに磨きをかけていける環境が必須となるでしょう。

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